WHOと禁煙:
タバコ規制枠組条約(FCTC)と慢性呼吸器疾患予防コントロールWHO協力センターの設立

牧野 荘平
(獨協医科大学名誉教授・慢性呼吸器疾患予防コントロールWHO協力センター長)

●はじめに
地球的にみれば、毎年約5百万人の人々が、喫煙に関連した疾患で死亡しています。男性の47.5%、女性の10.3%が喫煙し、ほぼ半数の子供が家庭でタバコの煙に曝されています。喫煙は直接暴露される点でCOPD、喘息、肺がん、などの呼吸器疾患の重要な危険因子です。タバコは合法的に販売され、通常の喫煙量で死亡を増す点が特徴的です。

●WHOによるタバコ規制枠組条約(WHO-FCTC)の発足
現WHO事務局長Dr.Leeは2003年5月21日は地球の公衆衛生にとって歴史的な日だと述べています。この日、WHO加盟192ヶ国が一致してWHOタバコ規制枠組条約に賛成したからです。この条約には、タバコの広告規制、タバコパックの少なくとも30%にタバコの害の警告を付ける、第3者の喫煙(second-hand smoking)の害からの保護(特に子供たちで)などが含まれています。

●WHO西太平洋地域タバコ・フリー・イニシアティブ(WPR-TFI)
WHOの西太平洋事務局は、地域の肥満の防止と禁煙を目標として挙げています。効果的なタバコ・コントロ−ルには、西太平洋各国がタバコ規制枠組条約の批准と条約に従った実質的な法的措置をとることが必要です。
日本は2004年3月に条約に署名、同6月に批准をしています。それに伴い平成14年制定の健康増進法による受動喫煙の防止に加えて、タバコパックでの危険表示が行われています。

●慢性呼吸器疾患予防・コントロ−ルWHO協力センターの設立
昨年秋に獨協医科大学に設立されました。喘息、COPDなどの非感染性慢性呼吸器疾患はライフスタイルの西欧化、大気汚染の拡大、高齢化、喫煙の持続などによりますます増加が予想されるとともに、特にアジア太平洋地域では死亡の主要原因となると予想され、また、その医療費の著増が見込まれます。禁煙は本センターの重要な仕事の1つです。本邦ではすでにCOPDを発症した患者の禁煙指導が充実してきましたが、一方、女性の喫煙率の増加が著明です。乳児期に母親が喫煙すると小児喘息の発症が増加します。家族全体の禁煙への意識の向上は必須であり、広く禁煙を勧めるものとしてILCA(I Love Clean Air)ブルーリボン運動はその効果が期待されるものです。


牧野荘平先生
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